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第1回
平成23年4月25日月曜日


 今回から始まった、「あおもり自慢123」。このコーナーでは、青森が誇る様々なNo.1を紹介していく。 広大な自然、恵まれた気候を持つ青森県は、「りんご生産量全国1位」や「にんにく生産量全国1位」など、農業分野において、さまざまなNo.1を持っている。その中で、意外と知られていないのが「あんず」。青森県のあんず生産量は、1155トンで2位である長野県の924トンと共に全国のシェア98%以上を占める。
 青森県人はあまり、あんずとは関係がないように感じられるが、調べていくうちに意外な関係があることがわかった。

 青森県の一部地方では、昔から「あんず梅」というものが食されている。「あんず梅」とは、「梅」ではなく「あんず」を果実として使う、梅漬けのことだ。「梅漬けにあんず!?」と思う読者もいるだろうが、実は「うめ」と「あんず」は、同じバラ科の植物で、双方の受粉樹としても使えるほどの近縁種なのだ。
 あんず梅の作り方は大きく分けて2つあり、梅と同じ要領で作られるものもあれば、あんずに丁寧にしそを巻いて作る方法がある。後者は、家庭によっては漬けるときに蜂蜜などを入れて、甘めに作ることもある。私も、小さい頃によく甘い「あんず梅」を食べていた。当時、すっぱい梅が苦手だった私は、甘酸っぱい「あんず梅」が大好物だった。
 この「あんず梅」が県内で日常的に食べられることにより、あんずの収穫量が多くなったと考えられる。

 あんずの生産量全国1位の裏には、地域に根付いた郷土の食文化があったのだ。(久保田圭祐)