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提 言 平成23年3月5日
はやぶさデビュー
本県観光産業は本腰を入れよ

 今日、東北新幹線新青森〜東京間に「はやぶさ」がデビューした。「はやぶさ」は、最高時速が320km/hであることと日本初の新幹線ファーストクラス「グランクラス」が搭載されることなどから、テレビ・新聞・インターネットなど各種メディアを席巻している。
 
 昨年12月4日の東北新幹線全線開業の際は、本県がメディアなどに多く取り上げられ、その効果で、県内の観光施設には多数の観光客が訪れた。しかし、「ねぶたの家・ワラッセ」のオープンが間に合わないなど、本県観光産業の開業に対する姿勢が問われた。
 
 今回の「はやぶさ」デビューをとおして再び青森が全国からの注目を浴びることは間違いないであろう。また、50日後には、日本最大の観光キャンペーンである「青森ディスティネーションキャンペーン」がスタートする。更に、開業後初の弘前さくらまつり、青森ねぶた祭なども待ち構えている。
 
 しかしながら、本県観光産業が万全の体制であるとは到底言いがたい。「黙っていれば客はやってくる」といった幻想を抱き、生半可な気持ちで観光対策に取り組んでいる者もいる。良い例が新幹線新青森駅周辺用地の売却状況だ。役所事情ばかりを優先した坪単価40万円という価格設定にどの企業も見向きもしなかった。その結果、新青森駅周辺には開業から三ヶ月経った現在もほとんど何もない。また、長年、当然のように行われている旅館の「ねぶた期間特別価格」も観光客を遠ざける一因となっている。
 
 青森には、津軽鉄道などの魅力的な観光財、十三湖や世界遺産の白神山地に代表される青森の自然、太宰治や棟方志功をはじめとする数多くの著名人を輩出した風土・文化、青森ねぶた祭などの祭り、そして青森の新鮮な食材など数え切れないほどの観光資源があるが、これまで、フルに活用できていなかったといえよう。
 
 全国からやってくる観光客は、青森に期待し、多額の旅行費と時間を掛けてやってくる。それらの期待に応えるには、観光産業に携わるすべての者が観光客に対し本気となって接しなければならない。更に、県内にあるすべての観光資源を更に磨き上げ、最大限活用しなくては、観光客は満足してくれないのは明白だ。
 
 将来的に青森がホンモノの観光都市になれるかは、この一年間の観光産業にかかっている。本県の観光関係者は、これまで以上に観光産業に力を入れるべきだ。
 
 「快適な新幹線に乗ったこと」が青森旅行の一番の思い出となってしまうようではいけない。