連日暑い日が続いているが、皆様、いかがお過ごしだろうか。
今回は、8月29日(日)まで、青森県立美術館で開催されている「ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ」について特集する。
さて、突然だが、「ロボット」と聞くと皆様は何を思い浮かべるだろうか。
ごつごつしたからだ(ボディー)?
それとも、なんでもしてくれるお手伝いロボット?
いや、鉄腕アトムような100万馬力の力持ちロボット?
はたまた、未来からやってくる、便利な道具をたくさん持った
ドラえもんのような猫型ロボット?
・・・・・・などのように、たくさん思い当たるだろう。
今回の『ロボットと美術展』では、これらのような皆様がよく思い浮かべるロボットから、これが本当にロボットか?と、思わず首を傾げてしまいそうなロボット、想像をはるかに絶するようなロボットまで、様々なロボットが展示されている。
大きなテーマとして、「ロボット以前」「戦前」「戦後T」「戦後U」に分かれており、さらに見所は、青森、島根、静岡の3県の美術館などが協力してつくったという、オリジナルアニメーションだ。これについてはいろいろと語りたいのだが、やはり見てもらうのが1番だろう。ぜひ美術館に足を運んで、このアニメをご覧になってほしい。非常に大きな世界観の中に引き込まれるであろう。まるで本当に近未来の日本を見ているかの気分であった。
また、たいへん貴重な手塚治虫氏の「鉄腕アトム」の原画も展示されているので、そちらの方もぜひご覧になってはいかがだろうか。
さて、時代は移り変わるもので、それに伴い、「ロボット」というもの(概念)も
変化してきているという。
例えば、アニメに登場するロボットを例にみてみよう。
だんだんと「ロボット」が「人間らしく」なってきているのがみてとれるだろう。
これらには、男の子の「かっこよくなりたい!」という気持ちが投影されている。つまり、男の子達の、「自分がヒーローになって、敵を倒していきたい!」という、欲望が顕著に映し出されているのだ。
また、ロボットとはまた少し違うのだが、アニメという点で、現在では、2次元に恋をする男の子も現れてきている。これもまた前者とは違った形で、欲望が映し出されているのではないか。
今回、『ロボットと美術展』を企画した理由を、県立美術館学芸主幹の、工藤さんにお話を伺ったところ、「ロボットというのは非常に重要なモチーフで、世界で日本が最先端をいっています。今までロボットの歴史等を紹介する展覧会は無く、面白い試みだと考えました。世間では、ロボットはこどものもの。男の子のもの。といった固定概念が強いですが、そういったものを崩してほしいがために今回企画を立てました。」とのこと。
また、「今展覧会の見所は?」という記者の質問には、「ロボットとは、《人間とは何か》を探る大切なカギになるものです。今回の展覧会を通じて、《人間》という存在はいったい何なのか?といったこともし考えていただけると嬉しいです。このままでは[人間の存在がフィクション化]してしまう時代が来てしまうかもしれません。そうなってからでは遅いのです。もう1度言いますが、ロボットを研究する、ということは、人間探求をすることと同じなのです。」と答えてくれた。
皆様もこの夏、《ロボット》を通じて、《人間》とはいったい何なのか、考えてみていただきたい。(田名辺一至)
会場 |
青森県立美術館 |
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[アクセス]
青森市営バスで、
「免許センター」行「県立美術館前」下車 |
会期 |
平成22年8月29日(日)まで |
開館時間 |
9:00 - 18:00 (入館は17:30まで) |
休館日 |
会期中無休 |
観覧料 |
一般 1000 (800) 円
高大生 700 (500) 円
小中生以下無料
※( ) 内は前売および20名以上の団体料金
※心身に障がいがある方と付添者1名は無料 |
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