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平成23年5月23日月曜日

  「ラッセラー、ラッセラー」と響き渡る声。飛び跳ね、舞い上がり乱舞する跳人。そして極めつけは堂々、勇ましい姿で練り歩く大きなねぶた。ねぶた祭こそ青森の短い夏の風物詩である。しかし、そんなねぶたに8月上旬しかお目にかかれないのは非常に残念な話ではないだろうか。しかし、今回紹介する「ねぶたの家 ワ・ラッセ」では、夏の暑い日はもちろん、吹雪吹き荒れる真冬の日でもねぶたに出会うことができるのだ。(田名辺 一至)
 
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外観
 ねぶたの家 ワ・ラッセは、青森駅の海側の一際目立つ建物だ。その独特の外観は、カナダのトッド・マッカレンさんとステファニー・フォーサイスさんが率いるデザインチーム「molodesign」がデザインし、なんでもちょうちんをイメージしてつくったとか。外観もすごいが、その設計のため館内にはやわらかい光が差し込んでくるようになっているように、細部にまで凝った演出がなされている。
 
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外観
 さあ、いよいよ館内である。まずは2階に上がってみると、「情報コーナー」が見えてくる。ここでは、ねぶたに関する様々な情報、資料を閲覧することができる。例えば、ねぶた祭の昔の映像やお囃子の音色、年代別の受賞作などが閲覧できる。また、有料だが、1階の総合案内所でカード(300円)を買うと、何度でも「ねぶた検定」を受けることができる。我こそは、とねぶた知識自慢の方は、ぜひ挑戦してみてほしい。また、ねぶた上級者のために、ここではねぶた師からお好みのねぶたを探し、閲覧することもできるので、ねぶたは初めてという方から、じょっぱりのベテランまで、皆が楽しめるようになっている。
 
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外観
 さて、ここからの有料ゾーンは、チケットをお買い求めいただきたい。しばらく進んでいくと、ねぶたのトンネルに出会うだろう。ここでは、自分でねぶたの面を描いてみる「マイねぶたをつくろう」のコーナーや、これまでのねぶた大賞(95年以降。94年までは田村麻呂賞)を受賞したねぶたを閲覧できるコーナーがある。そこを抜けると見はらし台があり、下から見上げるのが一般的であるねぶたを、ちょっと変わった視点で、上から見下ろすことができる。普段と違う視点から見るねぶたというのは、一風変わった感じがする。また、見はらし台から降りて、下から間近で観覧することもできるので、迫力満点、普段の視点からも閲覧できるのだ。さらに、貴重な昭和36年ころに描かれたといわれているねぶたの絵も展示されているので、そちらもぜひご覧になってほしい。
 見はらし台の下にある、「タッチねぶた」のコーナーでは、実際にねぶたに触れてみることもできるので、ねぶたを自分の肌で感じることができる。さらに、このフロアーでは、生演奏のお囃子のもとで、ねぶたのハネト体験ができる(土日祝限定)。ぜひ実際のねぶた祭りを思い浮かべながらハネト体験をしてみてほしい。
 そして、最後に我々を待ち構えているのが、ずらりと並んだねぶたの面たち。こちらは12名の製作者別に展示されている。どれ一つとしてまったく同じ「顔」というものはない。それぞれ、ひとつひとつに特性・特徴いや、個性が表れているように見える。何しろ間近で見ると迫力がすごいのである。
 
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外観
 ここまで展示室の説明をしてきたが、ワラッセはそれだけではい。土産物屋やレストランも充実している。中でも、オススメは、「生姜味噌ソフトクリーム」(320円)だ。青森のご当地グルメ「生姜みそおでん」とソフトクリームが絶妙にマッチ。ぜひ一度食してみてはいかがだろうか。
 
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 また、本紙記者の「青森以外から訪れる方に伝えたいことは何ですか」の問いに、施設担当者の平川さんは、「ねぶたをよく知らない方も気軽に立ち寄って、ねぶたが青森市民の誇りだということを知ってほしい。」と話してくれた。そして、「ワ・ラッセはねぶたを愛する多くの方々の協力によって成り立っています。ねぶた制作にかかわる方々、市外からのお客様を連れてきてくださる市民など「市民の情熱」がたくさん詰まっている、このワ・ラッセを多くのお客様に楽しんで頂きたいです。今回の大震災により、観光客を含め客足が減少しているのも事実ですが、みんなで力をあわせて元の姿に、いや、以前よりもにぎわうワ・ラッセを作り上げていきたいです。」とも話してくれた。
 小生もねぶたに囃子として参加しているが、改めて発見すること、勉強になることが多かった。皆様も、知っているようで知らないねぶたのこと。学びに行ってみませんか?

施設名 ねぶたの家 ワ・ラッセ
電話番号 017-734-1311
HP http://www.nebuta.or.jp/warasse/
提供時間 5月〜8月 9:00〜19:00
9月〜4月 9:00〜18:00
休業日 12月31日〜1月1日
※メンテナンス休館あり
料金 有料ゾーン
大人    600円
高校生   450円
小中学生 250円
アクセス 青森駅から徒歩1分


ワ・ラッセの外観


有料ゾーンにある「タッチねぶた」


有料ゾーンの「ねぶたホール」


ねぶたのあらゆる情報を知ることができる



※記事内の写真は「ねぶたの家 ワ・ラッセ」提供