あおもり話題チャンネルについて 芸術・文化 レジャー・エンタメ 自然 買いモノ タイムリー
平成24年10月1日月曜日

  青函ワールドとは、昭和30年代の青森の駅舎、りんご市場、魚菜市場、連絡船の待合室などが実物大で再現されたジオラマである。
 昨年9月まで、東京お台場「船の科学館」の、青函連絡船「羊蹄丸」に展示されていたが同科学館の改装に伴い、船体を引き取った「えひめ東予リサイクルシップ研究会」(愛媛県新居浜市)で公開展示されていた。
 その後、シップリサイクル研究等のため解撤される予定だったが、保存を望む有志の署名活動などにより、青森市がその一部を引き受けることとなった。
 今年7月から青函メモリアルシップ「八甲田丸」にて一般公開されており、私たちはさっそく行ってきた。(取材班)

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆
青函メモリアルシップ八甲田丸
 まず、青函ワールドがある八甲田丸について簡単に説明しよう。
 青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸は、1964年から1988年まで、青函航路に就役していた八甲田丸の船体をほぼ往時のまま利用して展示したものである。
内部は地下1階から4階まである。(詳しくは「青函連絡船でノスタルジーを感じよう」を見ていただきたい。)
 ジオラマは3階を中心に展示されている。

青函ワールド
 一歩中へ入ると、そこには昭和の市場が広がっている。市場の商品、店員の人形、全てが等身大で、とてもリアルで目を見張る。
 時折人形たちの間から津軽弁での会話が流れていて、本当に昭和の時代にタイムスリップしたような感覚を味わうことができる。
 人物設定も年齢、名前、個性が詳細に決められていており、それぞれの場面の説明も詳しく書かれている。右の写真の方、古谷きせさん46歳。タフで商売熱心な女性だそうだ。この古着はすべて本物。表情もなんともリアルだ。また、このりんご市場の女性。この方はいったいどんなことを思ってるのだろう。
 他にもたくさんの人形が40体もある。

青函鉄道連絡船記念館
 ここでは青函鉄道連絡船の80年間の歴史を知ることができる。
 当時の船内の様子が再現されていて、乗客用の座席が置かれており、座ってみることができる。思ったよりふかふかで驚いた。なかなか快適な旅ができそうだ。
 そこでは、青函連絡船シアターを見ることもできる。船長室や寝台室などの部屋をプラスチック越しに見ることができ、船長室には船長の人形が座っている。遠くに見える函館を眺めながら、何を思ってるいたのだろう。他にも、船内用備品や歴代の船の模型が置かれておいる。模型は普段見ることができない、船全体をじっくり見ることができる。

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆
最後に…
 青函ワールドの魅力をお分かりいただけただろうか。昭和30年代というと、だいたい私たちの祖父母達の世代にあたる。
 私たちが生まれるずっと前で、当然現代の学生たちは直接目にしたことのないような光景ばかり。だが、不思議とどこか懐かしさを覚えるのはなぜだろうか。
 現在は関東に比べたらまだまだ田舎の青森でも、高層ビル、コンクリートで固められた道路、ショッピングモール、新幹線や飛行機など、最新の技術が施された街並みが増え、日々進化している。
 青函ワールド内にあるジオラマのような風景はもう残っていないといっても過言ではないだろう。だからこそ、青函ワールドが重要な資料として残されているのだ。
 これからもどんどん技術も発達し、より便利で住みやすい世の中になるだろう。進化を追い求めることも大事なことだが、それまでの間に大きな歴史があったことを忘れてはいけない。
 この昭和の風景は次世代の子供たちにも伝えていくべきだ。
 昭和の温かみのある情景、雰囲気は文字や写真では表し切れないくらい素敵なものである。祖父母や両親と一緒に行けば、その懐かしい情景に幼い頃の記憶を思い出し、喜ぶのではないか。
 是非、直接足を運んで見ていただきたい。

(取材班=長内美優、川崎成美、田中利緒奈)
施設名 青函メモリアルシップ 八甲田丸
電話番号 017-734-1311
提供時間 9:00〜17:00(最終入場は16;30)
※10月末までは19時まで(最終入場18時)
※変更の場合あり。詳しくは施設にお問い合わせください
休業日 毎週月曜日
※変更の場合あり。詳しくは施設にお問い合わせください
料金 大人    500円
中高生   300円
小学生   100円
アクセス 青森駅から徒歩3分


八甲田丸
1964年8月12日に就航開始。歴代青函連絡船は55隻あるが、23年7か月と、現役で就航していた期間が一番長かった。青函連絡船の最終就航便を務める。





時代設定は、昭和30年12月15日早朝の青森駅周辺。






りんご市場の様子