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提 言 平成23年12月5日
浅虫水族館

 青森県立浅虫水族館は青森県に唯一設置された総合水族館である。浅虫水族館には430種8000点にも及び、東北で唯一のイルカショーは水族館の目玉だ。浅虫水族館の起源は大正にさかのぼる。大正13年に東北帝国大学(当時:現 東北大学)理学部生物学科が開設、それを機にして浅虫に臨界実験所が設置された。臨界実験所には水族館も併設されており、そこに昭和58年に浅虫水族館が開館したものだ。浅虫水族館は青森県における一大観光施設として定着し、年間33万人(平成19年度)を記録している。
 
 近年、全国的に水族館の建て替え・大規模改修が行われている。直近では2日に新潟県上越市が上越市立水族博物館の建て替えを検討していることを新潟日報社が報道している。その他、姫路市立水族館(兵庫県姫路市)が平成20年に閉館、その後改修工事を経て今年7月にリニューアルオープンを果たしている。
 
 水族館の耐用年数は一般に30年程度と言われている。先述の建て替え・改修ブームは、バブル期に全国で建設された水族館が耐用年数を迎えたことにより、建て替え・改修が行われていることに起因している。浅虫水族館は昭和58年に完成していることから、耐用年数を30年で考えれば再来年の平成25年には耐用年数を迎えることとなる。県は平成21年度補正予算で浅虫水族館の取水設備の改修などに1億3000万円を計上するなどしたが、今後も改修工事は続けざるを得ないだろう。
 
 浅虫水族館の最寄り駅は青い森鉄道線の浅虫温泉駅であるが駅から遠いし、青森市営バスの青森駅始発浅虫水族館行のバスも休日には混雑している。
 
 耐用年数を迎えることを機会にして、浅虫水族館を市街地のとりわけウォーターフロントエリアへの移転を提案したい。ウォーターフロントエリアは、陸奥湾の景色をバックにこれまであった県観光物産館アスパムや八甲田丸のほか、東北新幹線全線開業を機に「A−factry」や「ねぶたの家 ワ・ラッセ」がオープンし、3日にはワ・ラッセの来場者が開館以来30万人を超すなど、観光客でにぎわっている。このエリアに水族館を移設することによりエリアは更に盛り上がり、隣接する中心商店街の活性化に寄与するだろう。更に、壮大な陸奥湾を背にして「アスパム」「八甲田丸」「A−factry」「ワ・ラッセ」「県営水族館」の5大施設をもってすれば、青森ウォーターフロントエリアブランドを確立し、新たな観光客を取得出来るだろう。
 
 浅虫水族館はまもなく耐用年数を迎えることとなり、改修問題という大きな課題が発生する。これをピンチではなく大きなチャンスと捉え、ウォーターフロントエリアへの移転を検討すべきだ。