あおもり話題チャンネルについて 芸術・文化 レジャー・エンタメ 自然 買いモノ タイムリー
平成22年12月14日火曜日

 日本はもとより、世界でも高い評価を得ているジブリ映画。そのジブリ映画のレイアウト展が現在、青森市の青森県立美術館で開催されている。「ジブリ映画」というと・・・
・第52回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にて、1963年以来、実に39年ぶりとなるグランプリを受賞し、日本はもとより世界でも大ヒットした「千と千尋の神隠し」
・さまざまなキャラクターが多数登場し、時に泣かせ、時に笑わせてくれた「となりのトトロ」
・公開から長い年月がたった今なお、多くのファンを抱え、不動の人気を誇る「天空の城ラピュタ」
などなど、日本だけでなく、海外でも人気を博している作品が数多くあるのはご承知のとおりであろう。
 さて、なんとこのたび、そのジブリ映画制作の際に使用された、数々の貴重なレイアウトを、ここ青森で見ることができるというのだ。逸る気持ちを抑えて、早速、県立美術館へ向かった。

 ◆  ◆  ◆

 「レイアウト」というのは、アニメーションの一工程であり、通常は「配列・配置」などと訳される。また、新聞、雑誌の場合は特に「割り付け」などと訳され、主に印刷物のときは、「設計」などと訳されることば、それが「レイアウト」である。今回の場合は特に、「設計」や「画面構成」という訳が最も当てはまっているのだろう。
 さて、「映画の設計図」とも言われるスタジオジブリのレイアウトには、1枚の紙に、背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、メラワークの有無やスピード、撮影処理など、そのカットで表現されるすべてが描かれているという。
 レイアウトは、「絵コンテ」と言われる工程の次に行われるもので、「絵コンテ」はこれまた別名「映画全体の設計図」などとも言われている。「絵コンテ」というのは、アニメーション映画制作の中でも、かなり重要な部分を担っている。
 さて、このレイアウトを元に、アニメーターの方や美術スタッフの方が背景を描いたりするため、レイアウトがしっかりしていないと、後から大変になるため、絵コンテ同様、レイアウトも重要なのである。

 ◆  ◆  ◆

 会場内には、レイアウト約1300点あまりが展示されており、鉛筆で描かれた多数のレイアウトから魅力を感じるとともに、迫力を感じることができる。
 また、会場内には細部に工夫が施されているため、ジブリ映画ファンも、そうでない方も楽しめるつくりになっている。さらに、会場内でしか見ることができない絵などもあり、数々の貴重なレイアウト及び作品を見ることができる。
 特に、今年(2010年)公開された「借りぐらしのアリエッティ」は、青森県平川市の盛美園を参考にしたというので、青森県民はレイアウト展を見ると特に楽しめるだろう。もちろん、アリエッティの展示もある。

 ◆  ◆  ◆

 今回の展覧会では、訪れた方に、レイアウトの秘密をもっと知ってもらうために、音声ガイドの機器を貸し出している(有料)。
案内役にはジブリ映画の声優さんが登場されている。誰かは、会場で確認してほしい。また、作品ごとの丁寧な解説や、その作品の音楽も網羅してあり、時間を忘れて作品の世界に入り込むことができる。聞き漏らしたところは、また最初から聞きなおすことができ、何回でも繰り返し聞くことができる。
また、ペアで利用するとお得な割引もある。会場の入り口で貸し出しをしている。レイアウト展を深く楽しむには、うってつけだろう。

 ◆  ◆  ◆

 できれば、時間に余裕があるときに訪れてほしい。ゆっくりと楽しむことができるだろう。また、ジブリ作品が本当に訴えたいことは何なのか、映画の「声」を感じ取ってきていただきたい。
 まだまだ記したいことはあるが、続きはぜひ会場に足を運んでから、確かめてほしい。

施設名 青森県立美術館
電話番号 017-783-3000
開館時間 9:30〜17:00(最終入場は16:30)
休館日 会期中無休
観覧料 一般・大学生………1,100円
中・小学生…………900円
小学生以下…………600円
65歳以上……………900円
アクセス 青森市営バスで、
「免許センター」行「県立美術館前」下車