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平成24年10月15日月曜日

  「小金山神社」は江戸時代または明治時代に建てられた神社である。山奥にひっそりと存在するため知らない人も多いだろう。
 今回はそんな古い由緒を持つ「小金山神社」を紹介する。(取材班)

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

 「高田には、古くから存在する素晴らしい神社がある。」
 そう聞いた私たちは、高田を訪れた。
 その神社の名前は「小金山神社」。

〜「狛犬一対」は青森市指定文化財〜
バスを降りると赤い鳥居がある。
鳥居をくぐると、その両端には一対の狛犬がある。
頭髪が垂れ下がっているのが非常に特徴的だ。
その一対の狛犬の、向かって右側には「奉」、
左側には「納」という文字が掲げられている。
薄い緑色のこの狛犬は、寛文五年(一六六五年)に越前国新保の中村新兵衛から寄進されたものである。
これらは、「狛犬一対」として、青森市指定文化財(有形文化財)となっている。

〜第二十四番目の「観音霊場」〜
「狛犬一対」に隣接している観音堂がある。
これは津軽三十三観音霊場の一つ、入内観音堂である。
津軽三十三観音霊場がつくられたのは、藩政時代初期または江戸時代中頃と言われている。
青森県青森市は五所川原市、弘前市、つがる市等に霊場三十三ヶ所存在している。
それらは、地元の人々によって管理されている礼所が多い。
そして、「小金山神社」に入内観音堂があるように、
その礼所の多くは神社の境内にある。
入内観音堂はそんな津軽三十三観音霊場の第二十四番目霊場である。
私たちがこの場所を訪れたとき、一人の女性が参拝しに来た。
その女性は合掌し、お経を読みあげていた。
入内観音堂は、古くから人々に愛され、信仰を集めてきたのだ。

〜名前の由来〜
「小金山神社」は神主さんがいない神社だった。
そのため、私たちは地元の人々に「小金山神社」について話を伺うことにした。
一つ目は神社の名前の由来である。
昔、神社が建てられる前、そこでは度々金が流れてくることがあったそうだ。
また、その周辺一帯は唯一発展していた村だったそうだ。
そんな発展していた村に、神社を作ろうということになり
金が流れてくるということで「小金山神社」と名付けられたと言われているらしい。

〜観音様が盗まれた!?〜
二つ目は「観音様」についてだ。
昔、北海道の人に「観音様」を盗まれたことがあったらしい。
そこで地元の人々は、北海道まで「観音様」を取り返しに行ったそうだ。
またある人は、家を一軒一軒回り地元の人々からお金を集めたそうだ。
隣町にまでお金を集めに行ったらしい。
そして地元の人々から集めたお金で、現在の「観音様」を祭る入内観音堂を建てたのである。
そこに取り返した「観音様」を奉った、と地元の方が話していた。

〜人々に愛される「小金山神社」〜
今回、高田の地を歩いてみてひしひしと感じたものがあった。
それは、高田に住む人々の、温かく、優しい心である。
私たちが道に迷っていると、家の中から窓を開けて話しかけてくれた人もいた。
そして、お話を伺った人たちみな、私たちに「ご苦労さま」と労いの言葉をかけてくれたのである。
それは、とても印象に残るものだった。
私たちは「小金山神社」の素晴らしさと共に、人々の優しさも実感することができたのである。
長い時を越えて人々に愛され、支えられ、信仰され続けている「小金山神社」
皆さまもぜひ足を運び、その厳かな雰囲気と長い歴史を感じてみてはどうだろうか。


(取材班=塩越阿沙、佐々木美穂)

施設名 小金山神社
料金 無 料
アクセス 青森市営バス
古川3番乗り場から「入内」行に乗車。
「小金山神社前」下車。(乗車時間 約30分)


小金山神社の鳥居


狛犬一対



観音建立に当たり尽力した人々が記載されている


境内にある石碑




取材班の来訪を地域の方々は歓迎してくれた