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第5回 平成22年12月4日
開 業
文筆  あおもり話題チャンネル編集委員長 久保田 圭祐

 松尾芭蕉は青森を訪れなかった。いや、訪れられなかったのだろう。確かに遠い。当時の移動手段は徒歩であるから、尚更であろう。芭蕉がもし今日生きていたならば、ちょいとお江戸から「はやて」に乗って約三時間、未踏の地、青森を訪れていただろう。そして、青森の文化・自然・食材・人に目を瞠ったに違いない。「青森や ああ青森や 青森や」なんて句も生まれたかもしれない。
 
 今日の開業は、一筋縄ではなかった。オイルショックによる計画凍結、フルミニ論争など、多くの問題が山積していた。その中で、北村正哉元知事をはじめとする多くの人の努力があったことを忘れてはいけない。
 
 東北新幹線は、青森にとってチャンスでもありピンチでもある。新幹線の終着駅が栄える「終着駅効果」というものがある。28年前に開業したどこかの街は長らく終着駅の体裁を保ち活性化してきたが、青森には終着駅でいられるのはたった5年間。この5年間をいかに有効活用するかが大切となる。我々に残されたタイムリミットは僅かだ。
 
 東京から、芭蕉の「奥の細道」も辿って、汽笛が新青森駅に聞こえてきた。みんなの夢を乗せて東北新幹線がやってきた。